2016年10月18日火曜日

【お仕事機材】GT-156HD発売前レビュー

今回はちょっと毛色を変えて液晶タブレットのレビューです。
メーカーから10/26発売予定のHUION GT-156HDのサンプル出荷分を入手できましたのでレビューをしていきます。

まずHUIONについて簡単に少し紹介していきましょう。
このメーカーは2000年に中国深センにて設立されたペンタブレットメーカーなります。
ここ数年は液晶タブレットの開発も精力的に行っており、液タブのラインナップは18.5インチ/HDでエントリーモデルのGT-185、ミッドレンジで19インチ/WXGA+のGT-190、フラッグシップで21.5インチ/FHDの三機種がラインナップされています。

そして今回取り扱うGT-156HDは15.6インチ/ FHDで薄型軽量をウリとした、wacom Cintiq 13HDと直接競合をするモデルとなっています。

スペック比較

それではまず、cintiq 13HDとの主要なスペックを比較していきましょう。


GT-156HDCintiq 13HD DTK-1301/K0
ディスプレイサイズ15.6インチ13.3インチ
解像度1920*1080(FHD)1920*1081(FHD)
液晶方式IPSIPS
表示色数18ビットカラー24ビットカラー
コントラスト比800:1700:1
視野角垂直170°/水平170°水平178°/垂直178°
筆圧検知レベル2048段階2048段階
応答速度30ms25ms
本体重量1.5kg1.2kg
実売価格6万円前後9万円前後
※視野角の記載方法に違いがあったため揃えました。

赤字がそれぞれと比較してスペックに差異がある点を示しています。
画面サイズとコントラスト比以外はちょうど一回り13HDより小さくなる形となっているようです。
しかしながら価格は3万円ほど安く、画面も二回り大きくなっている模様です。
ことに漫画原稿のペン入れなどを行う場合は解像度に対してある程度の大きさが必要になるケースも多いので、大きすぎず小さすぎずのこのサイズはちょうどいいかもしれません。

まずは開封

それでは早速外箱です。
比較がないので表現が難しいところではあるのですが、同じくHUIONの21.5インチモデル、GT-220に比べてかなり小さく・薄い箱になっています。

そして蓋をパカリと。
つや消しのアンチグレアパネルを採用した本体が顔を出しました。
価格の割になかなかの高級感。プラスチックの安っぽさは感じません。

そして中仕切りを外します。
下段には付属品一式が入っていました。
左側に折りたたみ式の薄型スタンド/接続ケーブル/DPtoHDMIケーブル、右側には上からマニュアル/ペン、ACアダプタ/ペン充電用USBケーブル、ACアダプタ用のプラグアダプタ一式が入っていました。

付属品一式
付属品一式を並べてみました。
ケーブルが3in1でまとめられているため、付属品数は非常にシンプルな構成となっています。

付属のペン
GT-156HDからペンが新型に変わりました。
今まではビニール袋に入っているだけの簡素な梱包となっていましたが、
本機種より本格的なプラスチック製ケースに入っています、形もちょっとオシャレになっていますw
なお、充電式のペンとなりますが充電方法は今まで通りUSB接続での充電となります。

スタンド
後述しますが本機は軽量さを売りにした機種のため、VESAマウントやゴツいスタンドは付けず、
板タブに近いコンセプトで開発された機種となってるようです。
そのためスタンドも見た目はペラペラで簡素なスタンドに見えるのですが、きっちりと剛性のある金属パネルとなっており、可動部分にはプラプラしないように小さな磁石まで仕込んであるという芸の細かさです。
メーカーの担当者と話した時に「やたらスタンドを推すなぁ」とは思っていたのですが、これを見てなるほどとなりました。

可動部に仕込まれた小さな磁石。



高さの調整は6段階
高さは大きいつっかえ3段階/小さいつっかえ3段階の合計6段階となっています。

ケーブル
シンプルさを優先した構成のためか、本機では電源/HDMI/USBをまとめた3in1ケーブルが採用されています。

ACアダプタはケーブルに接続する形となっていますが、差し込んだ状態で回してロックし抜け防止の構造になっているようです。


iMacユーザーには嬉しい添付アダプタ(最新ロットでは付属しないようです)
Windowsユーザーの私は利用しないものとなりますが、miniDisplayPort(Thunderbolt)ポートのみ搭載のiMacユーザーには嬉しいminiDPtoHDMIアダプタが標準添付となっています。
iMacなどのminiDPのみ搭載PCにて利用する際にわざわざアダプタを購入する必要もなくなったため、iMacユーザーには嬉しい付属品ですね。

いよいよ本体

それでは本体を見ていきましょう。

大幅にファンクションの増えたハードキー
今までハードキーを搭載したHUION液タブはGT-185系のみとなっていましたが、今回は大幅にハードキーのファンクションが増え、14個のキーにタッチバーが搭載となりました。
全てのキーにファンクションを割り当てるのは少々骨が折れますが、全てのキーをフル活用すればイラストを描く上において必要なファンクションはほぼ網羅が可能かと思います。

まるで板タブのような裏面
裏面は液タブとは思えないほどシンプルな構成となっています。
すべり止めのゴムコーディングがなされたパッド部分と商品表記だけ。
VESAマウントによるスタンド固定は考慮されていないため、板タブのような裏面です。

右利き左利きに対応したシンメトリデザイン
GT-185の頃においては、キー配置が左側のみであったため、左利きには若干不利なハードデザインとなっていますが、本機よりドライバ設定から本体を回転させる事によりどちらの利き腕でも利用が可能になりました。

縦表示も可能。
両利き対応の延長機能ではありますが、ディスプレイ設定を縦に回転、タブレットドライバも設定を揃えれば縦状態での利用も可能です。ソフトのツール配置を工夫すれば縦原稿作成時に使えるかもしれません。

ディスプレイの品質
LCDパネルは18bitカラーとなっていますが、発色は良好です。
コントラスト比が高い割にはそこまで目が疲れる発色ではなく、かといってくすんでいる事もないため、非常にニュートラルな発色だなと感じました。

ペンの書き心地
ペンは今までのHUION同様、接地から若干沈み込むタイプとなっています。
ただし、押し込まなければ反応しないわけではなく、接地した瞬間に細く認識され、そこから線が太くなっていく、wacomのバネ芯に非常によく似た書き心地となっています。
wacom標準芯の硬い書き心地慣れていると若干慣れが必要ですが、慣れてしまえばこれはこれで悪くない書き心地です。

重量/厚さ

板タブと同じ感覚で利用することを想定しているためか、本機は非常に軽量・薄型になっています。
画像の通り、厚さは最も厚い箇所で15.8mm、重さも実測で1500gとなっています。
LCDパネルから駆動回路、デジタイザのモジュールまでこれに収まってしまうとは時代の流れを感じます。

意外なオマケ機能があった
マニュアルや仕様書には一切記載がないのですが、接続ポートの横にmicroSDカードスロットという意外なオマケがありました。
最初は「なんだこのスロット?」と思ったのですが、どう見てもmicroSDスロットだったので手持ちのmicroSDXCカードを差し込んでみたら無事認識。ちょっと得した気分です。

肝心の描き心地は

私自身も絵を描きはするのですが、ペン扱うのがヘタクソすぎてイラレに逃げたクチなのでここはペンでガリガリ描く派の妹とでインプレッションをやってみました。
今回のテストではSAIを使用しています。

まず、サイズの割に解像度が高いため、画素ピッチも目立たず非常になめらかに引けるという印象でした。
またサラサラとしたアンチグレアパネルを採用していることによって、ペンに適度な引っかかりがあり、ついでに指紋も目立たなくてなかなか良好です。
応答速度もCintiqより5ms遅い30msとなっていますがストレスになるようなポインタ遅れはなく、むしろSAIの手ブレ補正による遅れが目立つ結果となりました。

できるだけ速くペンを動かした結果。「良好」の字を間違えてますね……



ドライバ周り


メーカーから提供された本機用ドライバに関しては、今までのHUIONタブレットと少々インターフェースが異なりますが、基本的にはシンプルなものなので戸惑うことは少ないかと思います。
基本的にはインストールを行って接続すればOK。
私が貰ったバージョンではドライバは英語版となっていましたが、バージョンアップにて日本語に対応する予定のようです。


ただし一つ落とし穴が。

これはWindows10にのみ発生する落とし穴ですが、タブレットディスプレイの倍率設定が100%以上の設定となっている場合はポインタがズレてしまう落とし穴があるようです。
ただ、液タブを使う場合において倍率を上げて描くという事はまずないため、もし接続時にポインタがズレるようならここを見直してみて下さい。

動作確認が取れたソフトについて

今回のレビューにおいて使用したソフトはSAIですが、同時にいくつかのソフトで動作確認を行ったところ、下記ソフトにて利用が確認できました。

SAI v1.2.5
CLIPSTUDIO PAINT
PhotoshopCC 
※いずれもWindows10 64bit似て確認

総評

自分の仕事で扱っている機器という特性上、できるだけ中立を保ってレビューをしてみたつもりですがいかがでしたでしょうか?

総評としては、今回の機種は気合が入ってるな、といったところでしょうか。
確かにスペックノート上ではCintiq13HDに比べ一回り小さいスペックはなっていますが、実際に利用する場合においての不満点は全く感じない仕上がりとなっていました。

また、ディスプレイサイズが二回り大きいことを加味すれば非常にコストパフォーマンスは高いかと思われます。
本式の液晶タブレットの場合だとデスク周りの構成変更から始めなくてはなりませんが、大きさの割に限りなく板タブに近いコンセプトのため、手軽にフルスペックの液タブライフを始めることが可能かと思います。

ぶっちゃけ液タブを買って絵がうまくなるなんて事はないんですが、効率は確実に上がります。
私自身、今までは「手書き下書き→スキャン→調整→イラレでペン入れ」なんてめんどくさいコとしてたのですが、それを「液タブ下書き同時に調整→イラレでペン入れ」になった事によって劇的に効率が上がったという事があったり。
10年ほど場末の擬人化絵描きやってますが、今まで高嶺の花だった「ちゃんと使える液タブ」がここまで手軽に入手できるようになるとはいい時代になったもんだな、というのが正直な感想です。

インテュを買う金額にすこーし乗っけて液タブ行ってみませんか?w

ステマ(と、いうよりダイレクトマーケティング)

今回紹介しておりますGT-156HDならびに各種HUIONタブレットですが、私がやらせて頂いている会社にて取り扱っております。
買ってくれればお米スマホの購入資金になってブログの記事が増やせますのでよろしくお願いします(笑)


液タブトップ of 同人グッズ製作のフラットポイント!


1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

パームリジェクションに対応ってしてますか?